X12SPL-LN4Fのせいなのか? Windows 11をクリーンインストールするのに無茶苦茶時間がかかった話

X12SPL-LN4Fのせいなのか? Windows 11をクリーンインストールするのに無茶苦茶時間がかかった話

そろそろ Windows 10から Windows 11に変更するかと考え、Windows 11をクリーンインストールするためのブータブル USBを準備し土曜日の午前9時過ぎ頃から作業を開始。予定では当日の夕方くらいには、Windows 10時代と同じような環境になるはずであった。

PCのスペックは、以下のとおり。

  • CPU:Xeon Silver 4309Y
  • M/B:Supermicro X12SPL-LN4F (Intel C621A)
  • Memory:DDR4-2133 Registered DIMM 8GB * 4 / 16GB * 4
  • Graphic:GeForce RTX 3070
  • Power:CORSAIR 750W

しかし、クリーンインストールが完了して環境の再構築に着手できたのは 7日後であった。
途中、仕事などでまったくいじることができなかった時があるので、実質的にかかった時間は2日半といったところ。

Windows 11のインストールがはじまりキーボードの設定やデバイスへの名付けなどはスムーズに行くのだが、そのあとにはじまる全自動&強制 Windows Updateに進んだ段階で必ずコケる。いきなり PCが落ちて再起動を繰り返したのちに『Windowsが正しく読み込まれませんでした』となってしまうのだ。

失敗するきっかけは「NVIDIA ドライバー」のインストールである。
映像出力に GeForce RTX 3070を使っているため、Windows Update時に NVIDIA ドライバーのインストールが自動ではじまるのだが、インストールの進行状況に「NVIDIA ドライバー」が表示されてからしばらくすると上記のような状態になり Windows 11のクリーンインストールどころではなくなる。

なお、後述する方法で、ひと通り Windows 11のインストールの終了までなんとかこぎ着けて、NVIDIAのサイトから落としてきた Geforce ドライバー(最新・安定版に関わらず)をインストールしても同じ現象が起こる。

そして、最終的にたどり着いたインストールがうまくいかない原因?は、VGA接続のモニターの有無。

「今どきアナログの VGAなんて使わないぜ」ということで、BIOS(UEFI)の VGA Priorityの設定を『Offboard』にする
→ Windows 11のインストールが失敗

映像の出力元を GeForce RTX 3070からオンボードの VGA端子に変更するため、VGA Priorityを『Onboard』にしてモニターもきちんと接続する
→ ようやく Windows 11のインストールが成功

Windows 11のインストールも終わり、ひと通り設定が済んだので VGA接続のモニターを外す
→ Windows 11がおかしくなり、起動しなくなる

ざっと、こんな感じ。
ここにたどり着くまで、特に最初の VGA Priorityが関係していることに気づくまで2日ほどかかっている。

状況打開のきっかけは、LANケーブルの接続し忘れ。
メモリ1枚差しや CMOSクリアもやったみたがうまくいかず、ダメ元で2度目の CMOSクリアしたのちに何度目かのクリーンインストール作業を開始する。

すると途中で「ネットワークの設定」画面が表示されたことで LANケーブルを接続し忘れていたことに気づく。慌てて LANケーブルを接続したところ、ここではじめて Windows Updateの進行状況がどんどん進む。クリーンインストールにとりかかって初のユーザー登録(作成)画面まで至る。

これはうまくいったのか!?という感じで、残りの工程を進める。
しかし、2度目の Windows Updateでも NVIDIAドライバーのインストールがはじまると PCが落ち…以前の悪夢が繰り返される。

LANケーブルを外した状態で Windows 11のクリーンインストールを何度か試してみて分かったのは、ネットワークの設定画面が表示されるまで PCがオフライン状態だと、最初に行われる Windows Updateでは NVIDIAドライバーがインストールされずに次の工程に進むらしいということ。なぜそうなるかは不明。ただし、100%ではなく(当たり判定ともいうべきか、何かしらタイミングがあるのだと思う)6、7回のうち 1回の割合で NVIDIAドライバーのインストールが行われて、早々に『Windowsが正しく読み込まれませんでした』となる。

というわけで、当初は Windows Updateで適用される NVIDIAドライバーがバージョンや相性の問題でダメなのかと考え、最初に行われる全自動&強制の Windows Updateをオフラインからのネットワーク設定でパスしたのち、インストールする項目の取捨選択ができる 2度目の Windows Updateでは、NVIDIAドライバーをインストール項目から外して別途 NVIDIAのサイトからダウンロードしてきた Geforce ドライバー(最新版や安定版)の方をインストールしてみた。

結果は先述のとおり、NVIDIA(Geforce)ドライバーのインストールがはじまってしばらくすると再起動コースに突入。
こうなると、RTX 3070側の問題なのかもと考え、グラフィックカードを GeForce GTX 1050Tに差し替えてみるが、こちらも結果は同じ。
Windows 10環境では RTX 3070が普通に使えていたのになぁという感じ。

グラフィックカードそのものを諦めるしかないのかということで、オンボードの VGAを使う方向を探ることに。
BIOS(UEFI)の VGA Priorityの設定を『Onboard』に設定し直して、MITSUBISHI製のモニター RDT***(2015年製:1024×768)を接続して Windows 11のクリーンインストールをはじめる。すると、ネックだった NVIDIA(Geforce)ドライバーのインストールがないために、クリーンインストールはもちろん Windows Updateもすべて問題なく終わる。

とはいえ、今どき 1024×768はキツい! Windows 10時代には WQHD(2560×1440)のモニターを DPと HDMI接続のデュアルで使用していたのに、解像度についてはアナログポートを持つ高解像度のモニタがあればいいかもしれないが、そもそもアナログ接続のモニター自体がないな、ということで RTX 3070を再び取り付ける。

ここで、VGA Priorityの設定が Onboardのまま、VGA接続のモニターも付けたまま、WQHD(2560×1440)のモニターと RTX 3070を DPでつなげて十数回目のクリーンインストールに取り掛かったのが功を奏して、Geforceドライバーのインストールでもおかしくなることなく Windows 11のクリーンインストールが終了する。

単純に VGA Priorityの設定を戻したり、VGAモニターを外すのが面倒に感じるほど疲弊していただけなのだが、これでようやくゴールへの道筋が見える。途中、VGA Priorityを Onboardにして、VGAにモニターをつなげなかった場合や Windows 11のインストールが終わったあとに VGA接続のモニターを外した場合などについて検証をしたが、それ以外についてはこれまでの悪戦苦闘が嘘のようにスムーズに作業が進んだ。

本当は、もっと検証するパターンを増やして情報収集した方が良かったのかもしれないが、さらに何度もインストール作業をする気力はもはやなく、Windows 11環境を構築できたところで作業は終了。

しかし、何なんだろうね。
オンボードの VGA端子にモニターをつなげてないと、NVIDIA(Geforce)ドライバーのインストールの時点で再起動を繰り返して『Windowsが正しく読み込まれませんでした』となるとは…。